「秋の吉美展 2012」特別企画「萬葉染」について①
萬葉染を語るには
まず日本の染色の歴史の説明をしなくてはなりません。
日本の染色の歴史は、飛鳥時代以前の現存する資料がないため、古墳より出土された土器などに残されている布片から古代各期の織布について推定されるだけで、染料、技法などの確認は困難とされています。
飛鳥時代に入って大陸文化の盛んな流入により、その技術は大いに進歩したと思われ、この時代の多くの染物が法隆寺宝物館に保存されています。奈良時代の染織品も膨大な量が正倉院に保存されていて、飛鳥時代同様に貴重な資料になっています。
文献にいたっては、平安時代の「延喜式」の中に染色に関する多くの記述が見られます。
染料、染芸など、色の濃淡の染め分けに至るまで記載されていて、平安時代の染色事情を正確に伝えてくれています。当時、染料名はもちろん植物名が使われています。(橡・紅花・茜・紫紺・山藍など)
以後染色は時代とともに発展をとげ、今日の最新技術とがあいまって、素晴らしい草木染となっています。
三代目・喜多 長蔵
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