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長谷川芹は、直営店「KURA」の仕事以外でも、今までの百貨店での経験を活かした活動を展開します。
その一つが、西陣の女将さんネットワークを活用した「おりおりの会」。
西陣織の工程見学。
着物勉強会。
着物コンテスト。
様々なアイデアが出てきますが、最初は、ハロウィンにちなんだフォトラリーを行うことになります。
このあたりの展開は、先日、十日町で開催された「きものGOTTAKU」に似たような感じもします。
また、長谷川芹の母親は、有名なキルト作家。
婚約者の母親は、その人に憧れてキルト作品に熱中する、と「きものとキルト」を関連づけるあたりは、ただ今、十日町市内で開催している「きものの街のキルト展」を連想出来ます。
これだけ実店舗の営業と、産地のイベントとの共通点が作品にあるということは、作者である坂井希久子先生が、いろいろなことをきちんと調べて、きもの業界を熟知しているのだと思います。
「きもの」を題材にした名作を残したのは、谷崎潤一郎先生や宮尾登美子先生、幸田文先生などがいらっしゃいますが、きものの産業的な部分や問題点・小売り販売の実態などへの踏み込みはそんなにはありません。
またまだお若い、坂井先生のこれからが、おおいに期待できるところです。
主人公・長谷川芹が中心となって計画した、西陣老舗の板倉織物の直営店「KURA」。
お盆前にオープンしたもののなかなか、売上につながらない。
当初は丸洗いキャンペーンなどの「フロントエンド商品」で顧客情報を集め、「バックエンド」である自社製品である帯の販売に結びつける戦略ではあるが、社長からのプレッシャーもあり、次第に焦りを感じ始める。
・高額商品を売りつけるのではなく、お客様の不安を取り除き、信頼醸成を心がける。
・押し売りはしない。
・目利きが選ぶ商品を適正販売で扱う。
・直営店だから、ぼったくり価格は絶対にない!という認識
これらが浸透するまでの主人公の我慢が続く!
そして、その日はついにやってくる!
主人公・長谷川芹の信念や営業姿勢は「伴治郎」と共通するものがあります。
メーカー直営店だからご提案できる価格
老舗メーカーの歴史があるからこその目利きの商品。
小説のなかの「KURA」と「伴治郎」が重なる、坂井希久子先生の『若旦那のひざまくら』がオススメです。
その後立地は、明治神宮前駅徒歩8分。ラフォーレから明治通りを北上し、右へ折れる分岐点の一階路面店と決まり・・・。
原宿にオープン予定の直営店は、板倉織物にちなんで「KURA」という店名に決まる。
店内は土蔵をイメージした漆喰塗りで、ライティングには凝る。
コンセプトは「洗練」。
洗練された「目利き」の店。
価格の適正化はもちろん、それ以上に消費者に訴えないといけない。
洋服とは違い「流行」と少し離れた着物に求められるのは、特別感。
小説上の「KURA」の場所は「伴治郎」と至近。
「伴治郎」は、吉澤織物初代の吉澤伴治郎から名前を頂き、店名が決まりました。
そして店内は「織物」をイメージし、特殊な紙で、「織物」をイメージした壁紙を作り、長年お付き合い頂いている近所の電気屋さんが驚くような電球を使うほど、ライティングにはこだわりました。
そして、店のコンセプトは「目利き」!
「伴治郎」も適正なメーカー直販価格を提示しています。
また、吉澤織物では普段の流通にあげない、特別なお着物も取り扱っています。
共通点が多くあり、驚きます!
今回はP120・121に「盛夏を誘う清々しい織物 コーディネートで魅了する明石縮の装い」と題しまして、吉澤織物の新作「十日町明石ちぢみ」が掲載されています。
「伴治郎」ではこれらの新作をはじめ伝統的工芸品「十日町明石ちぢみ」を産地メーカー価格にて販売しています。
そして、今年も「伝統的工芸品 十日町明石ちぢみ」の新作や2018年新作ゆかたを発表するイベントを6月13日(水)から19日(火)まで日本橋・三越本店前のブリッジ新潟にて行います。
今回は、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放送を記念し、大島紬とのコラボレーション企画です!!
是非、ご来場下さい。
【伝統的工芸品「十日町明石ちぢみ」&ゆかたコレクション2018】
日時:平成30年6月13日(水)~19日(火)
午前10時~午後6時30分(13日は正午から、19日は午後5時まで)
会場:ブリッジにいがた(東京都中央区日本橋室町1-6-5 だいし東京ビル1F 03-3243-2840)
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